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19 . May
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18 . July

髪の毛塗るのマジ無理




モンブランと交互にリピート。人の心に訴えかけるなにかを作れるってすごいなぁ
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18 . March



 元より痩せこけ疲弊しきった国に捨てて余るほどの貯えなど最早ありはしない。しかし一度は豊葦原を侵略せしめた皇族には、その血の持つ力に相応しい財貨が代々伝わっている。戦の間に妃や妾、子を不自由させぬ玩具は全て宮の奥深くに取り揃えられていた。
 ところが肝心の千尋は金銀、色とりどりの絹織物や宝飾品、そのいずれにもこれといって興味を抱かなかった。中つ国から略奪して得た品だという曰くを除いても、そもそも絢爛豪華な装いには関心を惹かれないようだ。
 宮に入り初めは皇妃たる身に恥じぬよう趣向を凝らした室を用意させたのだが、「こんなに広くちゃ、何かあった時すぐ外に出られないもの」と弓を手に勇ましく語りだいぶ質素な室を寝城とすることになった。
 何か入り用のものはあるかと訊けば「何も要らないわ」と首を振り、お前は妃なのだから遠慮はするなと諭せば「今のままで充分だから」と穏やかだが明確な拒絶を受ける。
 千尋は俺の手から何も受け取らない。
 互いに手段のひとつとして了承した政略結婚なのだから、ある程度は仕方のないことと割り切っている。心を求める真似がまず筋違いなのだと知っているからこそ、表向きは睦まじい夫婦を演じようと考えた。それだけであるはずだ。
 思い返せば千尋が俺から何かを受け取ったことがあるかと疑問を抱き、ふと笹百合の咲き誇る谷で千尋が見せた、あどけない少女の顔を久しく拝んでいないことに気がついた。
 項垂れる花を摘み取ったとき鼻先を擽っていった芳しい香りを懐かしく思うが、常世の大地はひび割れ、千尋の金色の髪に映える可憐な花はもうない。



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見ろ!鼻水が滝のようだ!!(ムスカ)
どうにも体調が最悪で+リブ文が完成しないため違うボツネタ。困ったときは捏造!捏造!!

毎度拍手ありがとうございます!
御礼とか何もないのに押して下さるその優しさ……惚れてまうやろォォォオ!!!!!!!
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